浮月楼 観月会レポート

- Kangetsukai Report -

2021年10月19日(火)浮月楼では、月を眺めながら日本の技藝を堪能し、特別な時間をお楽しみいただける「観月会(かんげつかい)」を行いました。当日の写真とともに、イベントを振り返ってみたいと思います。


観月会とは

満月は中秋の名月、すなわち、陰暦八月十五日の夜の月を眺めること。また、陰暦九月十三日も十三夜といって月見が行われる日であり、古くから貴族たちはこの夜に、“月の名所”である日本庭園で宴をおこなってきました。パンデミックからおよそ1年半が経ち、娯楽が失われつつある現代にこそ、“失われた往古の月見の宴を行いたい”と考えたことがこの会のきっかけとなりました。

飾り立てられた桟敷に座し、月を眺め、虫の音に耳を澄ませ、美しい器を手にし、酒や茶、菓子や料理の香りをかぎ、それを口にする。その空間・時間を五感で享受する。私たちが考える、現代の宴です。

観月と料理

古来、月を神として崇める月見の風習は、秋の豊作を祈願する農耕儀礼と深く関わってきました。宮中では、茄子や芋を月に供え、その野菜にあけた穴から月を眺めたと言われています。陰暦八月十五日がちょうど初穂祭の時分にあたることに象徴されているように、作物の収穫の時期にふさわしい多様な地場食材を使用した特別なコースを、会にご参加いただいた皆様に愉しんでいただきました。

静岡名産の日本酒はもちろんのこと、今回は前回の春の宴に続き、毎週五分で完売する希少な日本酒「鷹ノ目」を乾杯酒としてご用意いたしました。

日本酒「鷹ノ目」は効率や生産性を無視し、「うまさ」だけを追い求め、創業200年の老舗酒蔵「はつもみぢ」(山口)と日本酒ベンチャーForbulが共同開発。数ある酒米の中でも、「酒米の王様」と呼ばれ、希少な酒米「山口県産山田錦」を100%使用し、水も山の奥から涌き出る、数十年の年月をかけて自然がろ過した命の水、「伏流水」を使用しています。口に入れると、優しいパイナップルのような甘みが口いっぱいに広がり、この日のためにご用意したお料理ともに特別な時間をご堪能いただきました。

宴を彩る各界の表現者たち

旧暦 十三夜の観月会ではお客様にお料理を楽しんでいただくだけではなく、各界の表現者たちをお呼びし、五感で愉しんでいただく機会をつくりました。

NHK連続テレビ小説「エール」などの時代考証から茶、花などの室礼の総合監修を務める茶道家の井関脩智氏、国際的に評価の高い彫刻家、道川省三氏を特別出演としてお招きし、さらに能楽師である竹市学氏と、弊社芸術顧問である華道家辻雄貴氏を加え、お食事のあとに陶芸+献花パフォーマンスから献茶式までをワンストップでご覧いただける特別な演出を皆様にご体感いただきました。

浮月楼の料理と空間だけではなく、茶、花、能、陶などの日本の多種多様な技藝を堪能していただく特別な時間になったのではないかと思います。

<パフォーマンス出演者ご紹介>

茶道家 井関 脩智氏

昭和21年東京日本橋に生まれる。日本大学にて工業化学を専攻。その後、東京都立工業奨励館にて高分子化学を研究。三越文化センター裏千家茶道講師、青山 塾舎茶花講師、日本橋高島屋セミナー茶道講師を務める。現在「星岡」主宰。京都藝術大学東京学舎講師。

陶芸家 道川 省三氏

1953年、北海道に生まれる。愛知県瀬戸市を本拠地として活動。「ロエベ財団クラフトプライズ2019」ファイナリスト。「ミュンヘン国際ハンドクラフトフェア2018」金賞。ロンドンのギャラリーを拠点として世界30カ国以上で陶芸の個展やワークショップなども開催している。

能楽師(笛方) 竹市 学氏

能楽師。1972年生まれ。藤田流笛方。藤田流笛方十一世 宗家藤田六郎兵衛に師事。 1984年初舞台。1990年、国立能楽堂三段役養成事業に参加。1995年、西安(中国)能公演。1996年、国立能楽堂第3期能楽修了。『猩々乱』『獅子』『翁』を披く。

華道家 辻 雄貴氏

株式会社辻雄貴空間研究所主宰 / 徳川慶喜公屋敷跡 浮月楼芸術顧問
既存の枠組みを超えて、建築デザイン、舞台美術、彫刻、プロダクトデザインなど、人と建築と植物の関係性を考えた空間表現を演出する。世界を舞台に、日本の自然観・美意識を表現している。

八代目料理長 藤村 將義氏

清水区日本平ホテルで修業を重ね、1997年ホテルセンチュリー静岡開業時より和食調理勤務、海外赴任歴もあり2007年同和食調理副料理長けやきシェフ歴任。

陶芸家 道川氏によるギャラリーツアー

観月会のお食事、パフォーマンスよりも先んじて、陶芸家の道川氏の作品と浮月楼の空間を利用した特設ギャラリーツアーを弊社代表の久保田耕平氏と、道川氏自らが解説いただく機会をご用意いたしました。事前にツアー参加をご希望された方限定での催しとなりましたが、作品の解説と浮月楼各空間のコラボレーションにご参加された皆様からはご満足の声を多数お聞きしました。

陶芸家 道川氏の作品は以下サイトでもご購入いただくことができます。

Fugetsuro Annual Gallery TSUKIMI 2021

<代表取締役社長 久保田耕平より>

昨年から浮月楼は「最高の庭で、最高の料理とおもてなしを」をビジョンに掲げ、庭で季節を楽しむ新たな試みを続けています。これからも浮月楼の懐石料理とお庭、そして文化や風習を交えながら日本の技藝を堪能できる特別な時間をご提供できるよう、様々な催しを検討していきたいと考えております。

<浮月楼について>

浮月楼は渋沢栄一が日本初の株式会社「商法会所」を設立した場所であると同時に、徳川15代将軍徳川慶喜公が大政奉還の後、約20年お住みになられていました。その後、明治25年より「料亭 浮月楼」として営業を開始し、静岡の迎賓館として多くの著名人をお招きしております。初代総理大臣である伊藤博文公が来静された際には、それを祝しここ浮月楼で園遊会が催されました。

■本件に関する問い合わせ

TEL:054-252-0131 / 担当:沓澤良太
MAIL:fugetsuro@fugetsuro.co.jp
※平日・土日祝 9:00 - 19:00

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