神前式とは、神様の前で夫婦となることを誓い合う、格式ある日本の伝統的な挙式スタイルです。
神前式の始まりは、当時は皇太子殿下であられた大正天皇陛下の御婚儀。宮中で初めて皇居内の賢所の御神前で行われたのが、現在の神前式のもとと言われています。
当時ほとんどの結婚式は、「祝言」と呼ばれる、新郎新婦を見守ってきた家族や身近な人に誓いを立てるもので、自宅で行うことが一般的でした。そのため御神前での御婚儀は画期的で、また神を身近な存在として考え大切に思う日本人にとって驚きと感動を与えることになりました。
そしてこのことを記念し、日比谷大神宮(現、東京大神宮)では一般家庭の人々に向けた神前挙式を行いました。
次第に全国の神社へと普及していき、現在では日本の代表的な挙式の一つとなったのです。
チャペル式で挙式をされたと耳にすることが多い昨今ですが、和装にご興味があり他にはないスタイルをご希望の方にピッタリな挙式スタイルです。
浮月楼では、実際に神主を神社からお招きし本格的な神前式を挙げることができます。
館内(庭園・室内)で行いますので、移動が少なく、スムーズなご案内が可能でございます。
また神前式の趣のある雰囲気と日本庭園という組み合わせが、新郎新婦様だけでなく、ゲストの皆様にとっても思い出に残る挙式、特別な一日につながります。
ここからは、浮月楼で行われる実際の神前式の進行をご紹介いたします。
一、 新郎新婦入庭
巫女の先導でご入庭いただきます。
二、 開式
神主の宣言により挙式が開式いたします。
三、 修祓の儀
神主が祓詞(はらいことば)を奏上し、新郎新婦様やご参列者を大幣(おおぬさ)で祓い清めます。
四、 降神・献餞の儀
祭壇中央の神籬(ひもろぎ、又は大榊)に出雲の神様をお招きします。その後祭壇に飲食のお供え物をして神様をおもてなしします。(お神酒などの蓋をとって示します)
五、 祝詞奏上
神主が新郎新婦様の婚姻の報告、幸福・ご守護の祈願を祝詞にして奏上します。
六、 三献の儀
三々九度の杯、新郎新婦様が互いに一つの盃でお神酒を飲み、三つ盃を重ね夫婦の誓いを示します。
七、 指輪交換
指輪を交換し互いに誓いを形として示します。
八、 誓詞奏上
神前に進み、誓いの詞を奏上します。
九、 新郎新婦玉串拝礼
玉串(榊に紙垂をつけたもの)を神様に奉り拝礼します。
十、 参列者玉串拝礼
ご両家の親御様が新郎新婦に続き玉串を拝礼します。
十一、親子盃の儀
お互いの親御様と盃を交わし絆を深めます。
十二、撤饌・昇神の儀
祭壇のお供え物をおさげします。(お神酒などの蓋を閉じて示します)
十三、閉式
神主の宣言により挙式が閉式いたします。
十四、新郎新婦退下
巫女の先導でご退場いただきます。
いわゆる「参進の儀」。神社での神前式では、巫女の先導で新郎新婦様とゲスト全員で挙式場へ向かいますが、浮月楼ではゲストの皆様は先に着座していただき、新郎新婦様の入場をご覧になれます。
「三々九度の儀」とも呼ばれます。大中小の3つの盃が用意されており、新郎新婦様が「お神酒」と呼ばれる神様の霊力が宿ったお酒を同じ盃で酌み交わします。
神前式のほか、縁起担ぎの為にお正月や選挙でも行われている古来からある儀式の一つです。
神様の前で、新郎新婦様が夫婦としての誓いの言葉を読み上げます。
チャペル式とは違い、新郎新婦様自ら誓いを宣言する点も神前式の魅力の一つ。
日本の良き伝統と歴史がつまった神前式。一生に一度の大切な日だからこそ、大切な皆様に見守られながら夫婦の誓いを宣言できる神前式をご検討されてはいかがでしょうか。
この記事の執筆者: 浮月楼 ブライダル課
浮月楼は明治時代から130年続く静岡の料亭・結婚式場で、これまで約1万組の結婚式・披露宴プロデュースに携わってまいりました。 当館にて挙式・披露宴を予定している新郎様・新婦様のお二人はもちろん、御婚儀を控えた皆さまのお役に立てるよう、御婚儀に関する情報の発信をしております。